05.見栄より意地よりプライドよりも

魏と織田とで再臨した遠呂智を倒し、
皆湧き立つ、これから凱旋して祝宴にと囃し立てる中
曹丕は喘いでいた。

「止せ、こんなところで、、」
引き込まれたのは手近な森の樹である。
陰になっているので周りの兵達からは隠せようが
人が近くにいることに代わりなかった。
「三成、、!」
曹丕の制止に三成が顔を上げた。
「一月も触れていないのだぞ、我慢できるか」
織田陣営へ所用で行っていた三成との久しぶりの逢瀬だ。
曹丕とて嬉しくない筈が無い。
だが、この状況は頂けなかった。
「待て!三成!今から、凱旋の・・・」
三成は曹丕に熱を孕んだ視線を寄越し、
そのまま樹に押し付け曹丕の鎧を剥いだ。
衣服に指を入れられ今度こそ曹丕が悲鳴を上げる。
「もうしゃべるな」と口を塞ぐ三成の視線だけが熱かった。

かつてない熱を以て三成の指が、舌が曹丕の身体を弄る。
それだけで曹丕はもうどうしようもない感覚に呑まれる。
久しぶりに逢う男の情熱は以前にも増しているようで、
厭が応にも盛りあがる。
半端に脱がされた衣服から三成の指が入り、身体を
蹂躙する。ああ、と曹丕が聲を漏らせば
三成は激しく曹丕の舌に己の舌を絡ませた。
ぐい、と押し付けられるのは三成自身である。
既に充分な硬さがあるそれを衣服越しに押し付けられれば
身体が疼いた。
曹丕自身、多忙であり随分と久しぶりの行為であった。
下衣を降ろされ、唾液を絡ませた秘所に指を這わせられれば
今すぐにでも滅茶苦茶にして欲しくなる。
飢えているのは三成だけでは無い。
「・・・っ」
くぅ、と聲を漏らせば、三成が曹丕の瞼に口付ける。
「少し耐えてくれ、我慢できぬ」
ぐ、と三成のものが挿れられる。
痛みに叫びそうになるのをどうにか堪え、
腕を噛んで聲を抑えた。
「っん、、、っ!」
三成が曹丕の腰を抱え、身体を揺らせば
耐えがたい快感が奔る。
痛みによる快感なのか、快感が痛みなのか、
もうそれすらもわからない、
融かされるような心地に曹丕は生理的な涙を流し
眼を閉じる。
身体を思うままに蹂躙する男の首に腕を回し
口付ける。

(ああ・・・)
がくがくと揺らされる、
抜き差しされれば、じゅぷり、と卑猥な水音が鳴った。
(その灼熱が)
揺さ振られる感覚に意識が飛びそうになる。
三成の攻めは常のような繊細さは無く、
寧ろ本能の求めるままに荒々しいものであった。
しかしその痛みが好い。
(たまらなく好い、)
真実求められるその心地がたまらなく曹丕の魂を揺さぶる。
ぞくぞくとした快感が身体に奔る。
荒々しい抜き差しに堪えきれず身を逸らせば
それを追うように三成が曹丕の中へ深く押し入った。

「っ、も、うっ、、」
無理だ、とか細く泣いて曹丕は限界まで張りつめた
自身を吐きだした。
追うように三成が自身を引き抜いて曹丕の腹に己のものを吐き出す。
それを見届けてから曹丕は放蕩うように意識を闇へ落した。



ゆらゆらと心地良い、
身体に優しく何かが触れる感覚に目を開ける。
「気付いたか」
三成だ、
は、として辺りを伺えば、未だ人の気配がする。
さほど時間は経っていないらしい。
「四半刻も経っていない」
曹丕は息を吐き三成を見つめた。
衣服を整えたらしい、男の顔は相変わらず綺麗だ。
曹丕の衣服もどうやら体裁は保てる程度に整えてくれたらしい。
「急いていたな」
らしくもない、と哂えば、三成が苦虫を噛み潰したような顔をする。
「我慢できなかった」
「まさか、石田三成ともあろう男が」
揶揄するように云えば、三成は更に渋面する。
「お前のことばかり考えていた」
「人を斬っているときも?」
「そうだ、お前を犯す想像すらしたぞ」
反撃とばかりに顔を寄せられ、曹丕はその顔を軽く押しのける。
「それでは斬られたものが哀れだな」
三成は笑い曹丕に口付ける。

「違いない」

互いに笑い、ゆっくりとした動作で
もう一度口付けを交わした。

「よく戻った」
「暫くは離れまいよ」

立ち上がり手を差し伸べる男の手を
取り曹丕は歩きはじめる。
その手の力強さに眩しさを覚えながら、
曹丕はゆっくり微笑んだ。

再臨魏ENDのムービーに二人がいないので。

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