14:おちこぼれの恋

どうしても止まらない、
止まらない衝動がある。

「・・・っ」
シャツをたくし上げて指を滑りこませれば
身体が揺れた。
堪えるように三成を見る視線は熱っぽくて
それがどうしようも無く三成を誘う。
ゆらゆらと揺らめく腰がもどかしい、
もどかしい、一刻も早くこの欲望をその身に埋めたい。

曹丕とは同じ予備校で、直に大学受験を控えている。
互いにそれなりに良い成績で、
けれども今回の模試を無視すれば受験に大きく
響くだろう。
けれども、三成は曹丕と近くのホテルでの
行為を止められない。
今回を逃せば互いに推薦を逃すのだ。
だが、どうしても互いの身体を手放せなかった。

「携帯、鳴ってる」
三成と曹丕双方の携帯が鳴り響く、
それを無視して三成は曹丕を押し倒した。
身体を弄る手を緩めずに、では、と三成は曹丕に
問うた。
「では、お前は止めれるのか」
今この衝動を打ち消せるのかと、問えば
曹丕は薄く哂い、白い喉を逸らせた。
その喉に噛み付くように舌を這わせば、
ああ、と聲が漏れる。
その聲を味わうように三成はゆっくりと
耳尻まで舌でなぞった。
曹丕は三成の背に腕を回し、
その唇を引き寄せる。
貪るようにゆっくりと歯列をなぞれば
三成が呻いた。
反撃とばかりに絡められる三成の舌に曹丕は
目を閉じその感触を堪能する。
じりじりと焦げるような感覚がしだいに
ぞくりと鳥肌が立つような快楽に変わる瞬間がたまらない。
足を絡ませれば三成がその身体を指で弄った。

酷い熱だ。
熱に浮かされているように
その身体に没頭する。
互いが何かの媚薬のように惹き合って離れ無い。
衝動のままに三成が曹丕の下肢に指を這わせれば
曹丕は喉を鳴らし、三成を誘った。
前も後ろも蹂躙される様が心地良い、
「かまわん」
早くしろ、と腰を浮かせれば
三成が己の起立したものを曹丕に打ち付けた。
「・・・っく」
痛みが奔る。
酷い痛みの筈なのに、それにさえ呑まれるように
全てが熱情に変わる。
きついのか三成が顔を顰める様に曹丕はゆるりと笑った。
先端さえ押し込めばあとは勢いのまま突くだけで
細かく三成が揺らせば、曹丕の嬌声が漏れた。
「う、あ、、、アアッ、、ッ」
快楽のままに身体が揺れる。
痛みが一瞬にして快感に変わる瞬間がたまらない。
何度も突き上げられる度に揺れる自身が
いっそ別の生き物のようで、酷く滑稽だった。

「これで、俺もお前も落ちこぼれか、、」
三成は哂う、曹丕は汗を肌に浮かせながら
三成に視線を投げた。
「ならば止めて今からでも行けばいい」
「冗談を、」
三成が再び哂う、それこそ無理だ、と
曹丕の指に己の指を絡めた。
いやらしく絡められた指先からじりじりと
融けていく感覚に呑まれる。
繋がった下肢からは云いようの無い快楽が
湧きあがる。

「止まらぬよ」
出逢って仕舞った歓びに、
溢れ出る衝動に、
何者にも換え難いこの感覚に、
呑まれるように、互いに口付けた。

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