15:腐女子の恋
※いきなりすみません。

今日も見かけるあの二人・・・
茶髪の美形と黒髪の超イケメン・・・
名前は知らないけれど、見ているだけでどきどきする。
電車の中でいつも一緒の二人は違う高校の制服を着ていて、
どちらも物凄い名門校、茶髪の方は都内でも有名な進学校で
黒髪の方は超おぼっちゃま学校!
そんな二人を電車の中で見かけて以来、わたしもうたまらなくなって
日記をつけることにしたの、別にストーカーとかじゃないんだからネ☆

○月×日腫れ
今日は二人は窓際に立って話をしている。
名前がわからないので茶髪の方を、跡部(仮)
黒髪の方を忍足(仮)と呼ぶことにする。
二人はきっとテニス部で、お互いの学校の
生徒会長を兼ねている。学校では
色んな取り巻きに囲まれているんだろうに
何故他校の生徒会長同士が(確定)こんな朝から
電車で仲睦まじくしているのか、ああ、
もう考えただけで萌える・・・
今日は素敵なことが起こりそうな予感☆

○月×日曇り
跡部(仮)が忍足(仮)の髪に触れた。
凄く綺麗で長い髪だからかしら、
たまらなくなってとりあえず写真を隠し撮りした。
ああ、これで夏の新刊は決まりそうv
そう・・・新刊のネタは・・・

他校の生徒会長同士、いがみ合う学園、
そんな二人は学校の交流会で出遭い、
そして恋に落ちる、(悲恋っぽいロミジュリみたいな)
恋に落ちた二人はお互いの学園の副会長に
阻まれ、公に会うことも叶わず、
お互いの通学途中の電車の中だけが
二人の安息の地・・・

おっ、いい感じ!続きは明日にしよう!

○月×日飴
忍足(仮)「跡部(仮)俺もう我慢できない」
跡部(仮)「忍足(仮)その言葉を待っていた」
「跡部(仮)・・・忍足(仮)・・・vv」
押し倒される跡部(仮)
跡部(仮)「駄目だ、こんなところで」←生徒会長室
忍足(仮)「今日は人払いをしてある」
跡部(仮)「あっ、忍足(仮)、そんなところを・・・」
跡部(仮)「駄目だ、ああっ、、!」
以下茶髪喘いで濡れ場。

ネーム出来たー!タイトルは
『いけない生徒会室、暴かれる禁断の愛』できーまり☆


・・・
「・・・ふむ・・・」
三成はその日、拾ったメモ帳をどうしたものかと
考えあぐねていた。
どうやら察するに同じ電車に乗り合わせる女子校生のものであるらしい。
辺りを伺えば直ぐに分かった。
三成はその少女の前に立ち、メモ帳を出す。
「これはお前のものか?」
少女はぎょっと、三成を見つめ、慌てて頷いた。
「どうしてわかったんですか?」
少女の問いは当然のことだろう、
三成はメモ張に挟まっていた、写真を取り出し指さした。
「この隠し撮りができる位置は此処なのでな、
俺と曹丕が写っている」
ぽん、とメモ張と写真を渡し、三成は少女に背を向けた。
曹丕の元へ向かおうとして、ふ、と止まる。

「ああ、それ、中々に面白かった、
だが、ひとつだけ云っておく」
「え?」と少女が顔を上げる。
寧ろあんなものを見られたのだ、顔から火が出そうだ。
しかし三成の言葉は少女の想像した言葉とは別のものだった。

「それ、逆だ」
「え?」
「だから、俺が攻めだ」

いっそ爽快に云い放って三成はその場を後にした。
少女はその場に茫然と立ちすくみ、呟いた。

「夏の新刊、茶髪攻めにしよう・・・」

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